溺愛MOON
生じる歪み
台風は夜のうちに過ぎ去った。


私たちはかぐやの布団で抱き合って眠ったけれど、私は先に起きて家へ帰った。

かぐやは夜行性だから当分起きないだろう。


引き戸を開けると日の光の眩しさが目に痛かった。

アスファルトはまだ水浸しだけれど空には熱い太陽の日差しが戻っていた。


長屋から見える風景は木が折れたり、木の枝が道路に散乱していたりと中々無残なものだった。

それほど大きな台風ではなかったけれど、海風を直に受ける島にとっては、やはりそれなりの爪跡を残していた。


漁船の繋がれた港には木片がたくさん浮いていて海面が茶色く変えている。

けれど心配された土砂崩れなどは起きている様子はなかった。


私が出勤すると船はもう通常通りに運行する予定になっていた。

けれど中条さんは道路の片付けなどに忙しいらしく、観光案内所の鍵を開けるとまたすぐに出て行ってしまった。
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