クールな彼が好きすぎて困るんですが!!


――――…これが、あたしの答え。




山田くんを、諦めます。







「おいっ…!」



後ろから山田くんの声がしたけど、止まること無く走り続けた。


溢れ出す大粒の涙が頬を濡らして。

視界は歪み、瞬きをしても止まってくれない。




「…うっ…く」



泣くな、泣くな、泣くな。


あたしが諦めれば、山田くんと伊吹先輩は上手くいくんだ。


これで、いいんだ。




立ち止まった一本の電柱の下。消えかけた光が、あたしを照らす。





あたし、大好きだったよ。



山田くんも、山田くんをがむしゃらに追い掛ける自分も。




……て、ちょっとナルシストみたいだね。


山田くんと過ごした時間は、思い出すとキラキラしてて。



好きだった。本当に、好きだった。

大好きだった。本当に、大好きだった。





――――…ううん。



今でも、大好きです。







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