GOLDMOON~美しき獣の赤い糸の花嫁~

~尭耶side~

「尭耶さん…栞を使って変なコトは考えるなよ」



「…例えば、どう言うコトだ?」



「…もし、栞を利用して何かを企むなら、この先の取引はしない」



「…それは本気で言ってるのか?桐生建設をもっと大きくするには俺が必要じゃあないのか?」



捺は栞を大切に思っているようだ。



「自惚れるなっ」



「…だったら止めてもいい…」



「…尭耶さん!?」


捺の方が俺の態度に驚き、慌てだした。



「…冗談だ…単なるセフレにしようと思ったけど。いいアイデアを思いついた。俺は彼女と結婚する」



「ま、待てっ!?」


「俺たちは親戚だ…捺」



「はぁあああ~っ!?」


静かな廊下に捺の頓狂な声が響き渡った。


< 78 / 264 >

この作品をシェア

pagetop