獣は禁断の果実を蝕むのか。
ヒールの高さに足が慣れなくて。
何度もカクカクと転んでばかり。
髪も茶色くして。
大きく巻いた髪。
まるで、キャバ嬢?
鏡の中には自分じゃない自分がいる。
本当に大丈夫かな?
不安を抱えたまま、一ヶ月なんてあっという間に過ぎ去って。
今日からS&Gエレクトンに潜入。
憧れのS&Gにこんな形で働くなんて。
心が痛い。
はあ…
大きなため息をつきながら。
常務に言われた通り、秘書室の皆瀬さんを訪ねた。