獣は禁断の果実を蝕むのか。

ヒールの高さに足が慣れなくて。


何度もカクカクと転んでばかり。


髪も茶色くして。


大きく巻いた髪。


まるで、キャバ嬢?


鏡の中には自分じゃない自分がいる。


本当に大丈夫かな?


不安を抱えたまま、一ヶ月なんてあっという間に過ぎ去って。


今日からS&Gエレクトンに潜入。


憧れのS&Gにこんな形で働くなんて。


心が痛い。


はあ…


大きなため息をつきながら。


常務に言われた通り、秘書室の皆瀬さんを訪ねた。

< 21 / 387 >

この作品をシェア

pagetop