獣は禁断の果実を蝕むのか。

「逆に沙菜ちゃんが、藤衛専務がイヤで辞めないでね?私が守るから。」


パッチリとした大きな瞳で、私の顔をじっと見ると、ギュッと抱きしめた。


「だ…大丈夫です。」


女の人に抱きしめられるなんて少し驚いちゃったけど。


ここまで大事に思ってくれるなんて。


良心がズキズキと痛む。


それでも。


私は任務を遂行しなきゃ。

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