総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜

Another Story 2





「結城さん。[裂空]を倒すためには、いつ頃に襲撃すればいいかな?」



[獄炎]の倉庫の奥にある、幹部のみが入れる部屋の中。


新しい[獄炎]の総長である村瀬大輔に問われたメガネの男――芹沢結城は、それを聞いてうーんと唸った。



「そうだなぁ。確実に[裂空]を潰すのなら、やっぱり幹部がいない時を狙うべきだね。特に総長がいない時」


「え、そうなの?」


「あぁ。[裂空]は基本的に質よりも量、って感じだからね。

喧嘩のレベルが強めで、なおかつ[裂空]のメンバーを統率する能力がある奴がいなければ、まさしく烏合の衆だろうなー」


「……そんなもんかぁ」



些か残念そうに言って、大輔は座っていたソファの上で大きく伸びをした。




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