笑う門にはオレ様がきた!!

NAGOMUside

オレは冴子にいわれるまま、
すでにクローズしている会場に
足を踏み入れた。


板張りのフロアに
オレの足音だけが響く。


オレの足音以外何も聞こえない。


一つ一つの作品に
ゆっくりと目をやる。


それらに込められた思いを
丁寧に感じ取っていく。


まるでこの三年半を
埋めていくかのように…


やがてメインの作品にたどり着く。


その作品の前に佇む後ろ姿に
思わず口角が上がる。













髪、切りやがったな。


オレに気づいている癖に
一向に振り向かない後ろ姿を
そのまま抱きしめ











オレの腕の中に
三年半の思いと一緒に閉じ込めた。





< 201 / 212 >

この作品をシェア

pagetop