四角関係。



【私...真希side】




「結衣~用意できた~?」


「うん、今行くー!」



時刻は夕方、セミが元気に鳴く 夏のある日。



あたしは隣の家の前で、その家の住人である結衣を待っていた。




「真希ちゃーん、お待たせ!」



バン、と玄関の扉が開く音が聞こえたので後ろを振り向くとピンクの浴衣を着た結衣が現れる。




「結衣、そんなに勢いよく出てきて
 浴衣崩れたらどーすんの?」


「えへへ、だって楽しみで」




照れたように笑う結衣に思わず私も笑みが零れた。




「今日晴れてよかったよね」



「ね、気温もいい感じだし」




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