世界が逆転した日

君のいる世界

そして次の日、明宏の研究が完成していたので、もうパラレルワールドに移動しないようにしてもらった。

原因は何だったかというと、男から女になったことによって、周波数が不安定になっていたから、らしい。

あらゆる物質は全て周波数というものを持っていて、それによって 居る世界が変わるそうだ。

俺の周波数はあっちの世界に固定されかけていたんだけど、お酒を飲んで体が弱ったことによって、また周波数が変わって戻ってこれたとか。

...よく分からないけど、とにかくそうゆうことだ。

明宏に、本当にあっちの世界に未練はないんですか、と何度も確認されたけど、いいからやってくれと頼んだ。

ここには明宏がいるし、明宏のことがなくたって、俺はあっちの世界に居てはいけない人間だから。

ずっと憧れていたバンドとしての成功。

全くうらやましくないと言ったら嘘になるけど、それはもう1人の俺が努力して手に入れた結果であって、俺が手にしていいものではないんだ。

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