や っ ぱ り 、 好 き 。

本音と、涙


お姉ちゃんに指定されたのは

透が住んでいるマンションだった。


『ふぅ……』


久々に来るこの場所に

自然と身体が震える。


まだ、お姉ちゃんは来ていようで

姿は見えなかった。


しばらくすると、

タクシーが近くに止まった。

タクシーのドアが開いて

降りてきたのは


「深久、ちょっとこっち来て」

『お姉ちゃん!』


スーツ姿のお姉ちゃんだった。


「しずかにね」


シーッと言いながら

手招きするお姉ちゃん。


「これ運ぶの手伝ってくれる?」

『え?』



< 45 / 72 >

この作品をシェア

pagetop