tearless【連載中】
罪×嘘
『で?どうだった訳?』



もともと大きい瞳をさらに大きくしながら、私に詰め寄る結衣。

只今、昼休み。

朝からずっとソワソワしてると思ったら、コレか…。

なんて思いながら、苦笑い。

まぁ…薄々は気付いてたけどね?



「真那斗にやり直そうって言われた」



マスカラを塗りながらそう答えると“やっぱりな~”と、納得したかの様な口ぶり。

視線を向ければ、ニヤリと口角を上げる結衣が私をジッと見ていた。



「何よ…?」

『それだけ?』

「えっ?」



黒い瞳に私を映し出しながら、頬杖をつく。



…鋭い。



マスカラを付ける手を止めると“キス…された”ボソッと呟いた。

でも、涙の事は言わなかった。

言えなかった。



『先輩には?…言ってないか…』

「うん…」



昨日の夜、携帯を開きメールの画面は出したものの、結局打てずに1時間ボタンと睨めっこ。



“直接、話そう”



そう思った私は、パチンと携帯を閉じたんだ。


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