10階にある社食は、12時を過ぎればすぐに満席になる。

絢乃と春美は入り口で5分ほど待たされた後、ようやく席についた。

席は4人掛けで、窓際の景色の良い席だ。

窓の外には、晴れ渡った青空の下、都内のビル群が広がっている。

ここからだと東京タワーも見えるので、ちょっとお得な気がしなくもない。


「やった、窓際! ラッキー!」


春美は座席キープの札をテーブルに置き、『本日の日替わり定食』のコーナーへと向かった。

絢乃はぐるっと社食を見渡した後、『本日の麺類』コーナーへ向かおうとした。

と、その時。


「お、絢乃ちゃん?」


横から声を掛けられ、絢乃は足を止めた。

そこに立っていたのは、均整のとれた長身の体をグレーストライプのスーツで包んだ男だった。

少し長めの艶やかな黒髪に、大人の色気を漂わせた、茶色がかった二重の瞳。

その完璧な顔のパーツの配置といい、口元に刻まれた優美な微笑みといい・・・

いわゆる、筋金入りの『イケメン』だ。

突然のことに、絢乃は思わずまじまじと彼を見てしまった。



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