───定時過ぎ。

絢乃は机の脇に置いてあった缶コーヒーを飲み、大きく伸びをした。

雅人に頼まれた仕事は、このままいくと明日中にケリがつきそうだ。

とりあえずその旨をメールしておこうと思い、絢乃はカタカタとキーボードを叩き始めた。

・・・病気療養中の成澤に代わり、雅人が仮の上司になってから数か月。

普通、こういった職種だと残業は付き物なのだが、雅人は部下に残業させることをあまり良しとしない。

部下には極力そういう仕事のし方をさせてはならない、という雅人なりのモットーがあるらしく、第一開発課の課員はほとんどが定時ピッタリに退社していく。

そういう所も、課員たちにとっては尊敬するポイントらしい。

最も、障害などの緊急時にはそうも言ってられないのだが・・・。


ちなみに。

卓海が課長を務める第二開発課は、雅人の課とは全く逆の、和気藹々とした明るい雰囲気に包まれている。

第二開発課はグランツ・ジャパンの貿易システムを設計・開発しており、部屋の中には英語やドイツ語が飛び交っている。

第二開発課もそれなりに優秀な社員は集まっているが、仕事の仕方は個人プレイに近いらしい。

『上司の性格が、その部署の雰囲気になる』とはよく言うが・・・

雅人も卓海も、まさにそんな感じだ。

それだけ、二人の個性が強いとも言える。


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