夏の月夜と狐のいろ。



プロローグ


狐の庭で、ひとりぼっち。


焼け焦げた森のあった場所で私は待った。


さみしくて、つらい。

仲間はどこにいってしまったのだろう?


待ち求めている相手は無事なのだろうか?



自分の黒い毛皮をそっと傍に引き寄せる。



さみしいです―・・・



あなたはいまどこにおられるのですか?



黒い狐が、闇の中で小さく鳴いた。
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