手をつなごう

シン

シンとあたしが、初めてまともに会話をしたのは
出会いから2ヶ月が過ぎた頃だった。

突然、シンが一人で家に来たのだ。

「俺のライター、ありませんでしたか?」

無表情で訪ねてくるシンをあたしは家に入れた。

ライターは結局見つかることはなかったけれど
なんだか落ち込んでるようにも見えて、
がんばって話しかけてみるものも、
会話が続かない…。

[大事なライター?]

「うん...」


[探してみるよ。他に行った場所は?]

「ないです...」

[車の中は?]

「....」

しばらく無言が続く。
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