手をつなごう

過去

あたし、ユーリは
昔からあまり人付き合いは得意ではなかった。
むしろ苦手だった。

小さい頃から、母親はあたしと妹を比べては
あたしを叩いたり蹴った。
妹も突然発狂しあたしを叩く。
そんな家が嫌いで
いつもさみしかった。

それでも父だけはやさしかった。
厳しい人だけど、あたしを妹や他人と
比べるようなことはしなかったし、
休みになると小さい頃はよく遊びに連れて行ってくれた。

小さな会社を経営し、
いそがしい人だったから
ほとんど家にはいなかったけれど
父との思い出はたくさんある。

だから普段の母親や祖父からの暴力や暴言には
黙って耐えて、夜には一人で泣いていた。
母親たちの前ではどれだけ殴られても、
泣かなかった。

泣いてしまえば、
涙を見せたなら
負けたような気がするから、
絶対泣かなかった。
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