序章

 1944年、第二次大戦末期、ひとりの天使が追われていた。
怪しい外人の女が飛んでいるとの理由で特高警察や軍に追われた天使。
天使は、どう見ても西洋人にしか見えない。しかも飛べる。
当時欧米の物は徹底的に国から禁止されていたため彼女は不審者とみなされた。
その天使の名は、マリアンヌ・AK・チルステア。天上界の上級クラスの天使だ。
そんなマリアンヌをかくまった青年がいた。
青年はマリアンヌとともに、特高や軍から追われた。
やがて、包囲されたふたり。
かくまった青年は、軍に撃たれ、重傷を負う。
マリアンヌは、青年を連れて天上界へと逃げた。
他の天使達とともに幹部会に青年の救助を求めるマリアンヌ。
だが、天上界の幹部達は、拒否。
死にかけている人を助ければ、人間界の歴史が変わるから、それが理由だ。
青年は、自分の命のことよりも、人間界で天使が傷付けられないようにしてくれと、幹部達に懇願。最後の力を振り絞って、頼みこむものの絶命。
青年の願いもむなしく、当時の幹部組織は閉鎖的で、全く相手にしなかった。
1944年当時、日本に進出していた天使はまだまだ少数。
戦争や体制の影響で、疎開、または、天上界に引き上げる者もいた。
幹部達は、日本の状況が天使達に与える影響はほとんどないと判断、放置した。

 マリアンヌは天上界の指導者のひとり、イザべラ・エレガンス幹部の妹。
妹といっても血の繋がりはない。
エレガンス幹部より少し後に生まれた天使で、エレガンス幹部から妹のように可愛がられた。
上級クラスの能力を持ち、将来の幹部候補として有望視されていた。
マリアンヌは、この一件で天上界の幹部会と対立し、一部の天使達と天上界から離れた。
その行方はいまだに知れず。

 時空を超え、今ここに新たな物語が始まる……

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