エレーナ再びそれぞれの想い
19 天上界のシュウ
 一方、ひどく落ち込んだままのシュウ。
シュウの心のダメージは想像以上で、なかなか立ち直れない。
クラスメイト達の励ましにも、ええ、とか、ああなどとしか返事をせず、心ここにあらずだ。
このままじゃ、どんどんシュウが壊れて行く。
執事の中沼とて、手を打てず、もうシュウを見ていられない。
「私の力じゃもうどうする事も出来ません。皆さん、どうか力をお貸し下さい」
中沼は、天使達に窮状を訴えた。
「ご主人様があんな風になっちゃうなんて、私もう耐えられない」
プリシラは、泣きそうだ。
「このままじゃまずいわね」
さやかは、一刻も早く、シュウの心のケアが必要だと主張した。
シュウには、十分な休養が必要、それは、天使達も共通認識で一致した。
突然エレーナが、何かを思いついたようだ。
「そうだ! 皆さん、私に考えがあります。こういうのはどうでしょうか?」
エレーナは、シュウには聞こえないような小声で皆に提案した。
「それは、良い考えね。やりましょう」
とさやか。
エレーナの提案に皆が応じた。
 
< 130 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop