エレーナ再びそれぞれの想い
貴方のために、好きでもない人と許婚にされる千鶴さんの気持ちを考えて下さい。
白川家は祖母が実権を握っています。
女性を政治的に利用するやり方は通用しませんよ。
それから、このことで千鶴さんを叱らないで下さい。
千鶴さんを傷つければ、白川家は貴方に悪い印象をいだくでしょう」
巌は、黙って渋い顔をするしかなかった。
「もう大丈夫ですからね」
「あの、ありがとうございました」
千鶴は、さっきまでの硬いこわばった表情がゆるみ、自然な表情に変わった。
千鶴はその後、この一件で巌から叱責されることはなかった。
それからだった。
千鶴のシュウに対する接し方が変わったのは。
ごく自然に、好意的に接してくるようになった。

 教室では、シュウがまたなつみ達にしごかれている。
「やめなさい」
千鶴の一言でしごきがやんだ。
前よりも強い姿勢で臨む千鶴。
「委員長、マジになっていたね。どうしたんだろう?」
なつみをはじめ、いじめグループの連中は千鶴をみつめる。
「ありがとう、助かりました」
「前にも言ったけど、私のそばを離れないほうがいいわよ」
千鶴は微笑んでいた。
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