スイートスキャンダル

★どうやら恋の病らしいです。

―――――――…



厳しい残暑が続く9月上旬の日曜日、あたしはお気に入りのカフェに来ていた。


運ばれて来たアイスコーヒーのストローに口を付けた時、肩をトントンと叩かれた。


「久しぶりね」


明るい笑みを浮かべた有紀に、不満をたっぷりと込めた視線を向ける。


「あ、やっぱり怒ってる?」


悪びれも無く笑う彼女は、あたしが怒っている訳じゃない事はわかっているみたい。


「怒ってないけど、いきなりイケメンを寄越した事への不満はあるわよ」


「まぁまぁ、いいじゃない。柊はすっごく気が利くから、それなりに楽しめたでしょ?」


ニッコリと微笑む有紀に呆れて、もう何も言えなかった。


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