スイートスキャンダル
「別にいいでしょ。アンタが来る前に、ちょっと親友と語り合おうと思っただけよ」


「おい、余計な事言ってないだろうな?」


有紀の言葉を聞いて、柊君が焦ったような表情を見せたけど…


「あたしに言われて困るなら、さっさと自分で話せばいいでしょ」


彼女はしれっと言い放った後、呑気にコーヒーを飲んだ。


「言われなくてもそうするつもりで来たんだよ!」


「あら、そう」


不満げな柊君に反し、さっきと同じ言葉を吐いた有紀は平然としている。


未だに状況を把握出来ないあたしは、目の前で繰り広げられる姉弟喧嘩に付いていけなかった。


それでも、一つでも疑問を解決しようと口を開き掛けた時、有紀が含みのある笑みを浮かべた。


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