スイートスキャンダル
優しく触れるキスが、次第に甘くなっていく。


唇で唇をやわやわと挟まれたり、その柔らかさを味わうようにそっと舌を這わされたり、その動きは少しずつ大胆になっていった。


キスが深くなり始めると、ほんの少しだけ不安が芽生えたけど…


「何も考えないで」


柊君はあたしの気持ちを察するように優しく囁いて、うっとりするような深いキスをくれた。


「好きだよ、遥」


大きな手があたしを愛(メ)でるように肌を這い、指先で痺れるような快感を与えて来る。


数え切れない程の甘いキスの後、一つになった二人の体が静かに溶けていくような気がして…


柊君の唇が額にそっと降って来た時、一雫の涙が頬を伝い落ちた――…。


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