蝉の鳴き声で目を覚まし、程なくして重い体を引きずるようにして行ったリビングにいたのは、黒いソムリエエプロン姿の柊君だった。


「あ、遥。おはよう」


「おはよう。……もしかして、朝食作ってくれたの?」


「うん。だって、疲れてるだろ?」


「そんなのお互い様じゃない」


「俺は、遥のお陰で元気になったから平気だよ。でも遥は、仕事よりも昨夜の疲れの方が溜まってるんじゃない?」


「バ、バカッ……!」


悪戯な笑みを浮かべた柊君を真っ赤な顔で睨めば、彼は喉の奥でクッと笑った。


あの旅行から、もうすぐ1年。


相変わらず意地悪な笑顔の持ち主は、今日も綺麗な顔に清々しいくらいの余裕を纏っている。


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