スイートスキャンダル
ただ、柊君と話したのは、結婚式が終わった後に交わした挨拶程度の言葉だけだった。


スーツ姿の柊君に違和感を覚えながらも、随分と成長したその姿に月日の流れを感じたけど…


たった一言二言の会話の中で笑顔を見せた彼には、どこかあどけなさが残っていた。


それ以来、柊君に会う事は無く、あたしの記憶の中の彼はどこか幼いままだった。


それなのに…


3年振りに再会した柊君には、昔の面影なんてどこにも無い。


有紀の名字が変わった事もあって、ピンと来なかったというのもあるけど…


柊君があまりにも大人っぽく、そしてカッコ良くなり過ぎている事が、彼の事をすぐにわからなかった一番の原因だと思う――。


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