スイートスキャンダル
いつの間にか、新幹線はトンネルを走っていた。


「遥さん、いい加減にこっちを向いてくれませんか?」


窓に映る柊君が眉を下げていたけど、あたしは無視を貫いたままビールを飲み干した。


平日の朝からビールを飲むなんて、何て贅沢なんだろう。


普段なら、忙殺される一日が始まる時間だというのに…。


予定通り有紀と二人で過ごしていたのなら、この贅沢な時間を心底楽しめたと思う。


だけど…


今は楽しむどころか、あんなにも浮かれていた気分が急降下し、地に付いてしまっている。


これからどうなるのよ……


不安を抱いたあたしを余所に、目的の駅はもう目前まで迫っていた――…。


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