スイートスキャンダル
布団を思い切り離しておけば、大丈夫なんじゃない……?


だって、柊君は有紀の弟だし……


さすがに、姉の親友に変な真似はしないよね……?


「……本当に何もしない?」


目の前の温泉の誘惑に負けたあたしは、疑いの眼差しで柊君を見上げた。


「……はい」


ニッコリと笑みを浮かべた彼に、訝(イブカ)しげな視線を向ける。


「今、変な間がなかった?」


「気のせいですよ」


「……あたしは温泉に入りたいの」


「わかってます。俺も温泉に入りたくて来たんですから」


「なら、利害の一致って事でいいわね?」


直後、柊君が満面の笑みで頷いた。


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