スイートスキャンダル
「大アリよ!あたし達、カップルじゃないでしょ!」


眉を寄せたまま声を上げると、柊君が苦笑いで小さなため息をついた。


「あたし達は、有紀がこの旅行をキャンセルする事になって、たまたま都合がついた柊君が代わりに来て、最終的には利害の一致で一緒に過ごす事にしただけなのよ!」


「まぁまぁ」


柊君には何を言っても無駄な気がして、諦め混じりのため息を落とした。


「とにかく、次からはカップルって言われたらちゃんと否定してよ?」


「別に旅先で誤解されても問題はないんだし、わざわざ否定しなくても……。それに、せっかくのデートなんですから、今はカップルって事でいいじゃないですか」


「え……?」


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