想 sougetu 月
 びっくりして硬直した私を無視して、斎は私の頭の後ろに手を差し入れて固定し、むさぼるかのように激しく唇を押し付けてきた。

「むぅ!」

 息苦しくて開いた口の中に斎の舌が入り込み、ぬるりとした感覚に肌が粟立つ。
 私の舌に自分の舌を絡めたり、歯の裏など口内のあちらこちらを好き勝手に這い回る。

 苦しいのと恥ずかしいのとで意識がクラクラし始めた。

 抵抗しようにも力が入らない。
 斎のなすがまま、受け止めるのがせいいっぱいな状況だった。

 やっと激しいキスから開放され、空気を求めて呼吸をしていると、服が少し乱暴に首の下までたくし上げられた。

 いくら経験がないとは言っても、これから斎が何をしようとしているのかわからないほど子供ではない。
 でも、私達は親族関係だ。

 それに自分で言うのも情けないけど、斎のように容姿に優れているわけでも、頭がいいわけでもない。
 シイナのようにオシャレでもないし、グラマーな体系をしているわけでもない。

 もしランク付けにするなら、私のすべてはごく平凡な普通よりもやや劣る場所に位置つけられるだろう。
 こんな私に斎が欲情できるとは思えない。

「い……、斎、何をし……」

 言いかけた言葉は斎のキスでふさがれる。

 吸い付くようなキス。
 息がうまく出来ないくらい深くされ、ブラの中に斎の手が入ってきた。

 私の胸は小さくはないが、大きくもない普通のサイズ。
 斎に触れられたことで激しい羞恥心が沸き起こる。
 
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