幽霊な君。
掴めない。
「じゃあ、元気でな!また会いにくるからなー!」

そう言って俺は実の父と別れた。

多分もう会うことはない。


母は俺が中学2年生の頃に亡くなった。
交通事故だった。

飲酒運転をしていた車に運悪く買い物帰りの母がひかれたのだ。



大好きな母が亡くなってから
男手一つで育ててくれた父には感謝しているし尊敬もしていた。

そんな父が
最近朝に帰ってくる様になった。


大体予想もついていた。

もう母が亡くなってから3年……。


俺にとってはまだ昨日の様な感覚だったけれど
父にとってはそうじゃなかったらしい。




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