夜明け前
第一章


瞳に映る全てが綺麗に見えた。


幸せで、愛しくて。


この幸せな日々が、ずっと続くと思っていた。


大切な宝物に囲まれて、愛して愛されて。


心から笑っていた。


悲しみも、苦しみも、知らなかったあの頃。


守られるばかりで、なにも知らなかった。


失ってから気づいた、大きな過ち。


伝えられなかった思い。


戻すことの出来ない時間。


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