君がくれたもの
出逢いのかけら





目覚ましが鳴っている。
「…芽衣…」
「う…ん…」
私を抱きしめていた腕が離れ、目覚ましを止める。冬の冷んやりとした空気がベットの中に入り込む。


「寒い…」
思わずその腕を掴み抱きつく。


彼は私を愛おしそうにギュッと抱きしめて、額に優しいキスをくれる。
「もう起きないと、遅刻するよ。」
「…うん。」
もう一度私にキスをして、彼はベットから出た。


「ゴメン和希。すぐに、朝食作るね!」
着替えを済ませ、慌ててキッチンへ向かう。
「いいよ。慌てなくて」
和希は、クスリと笑って私を見、ネクタイを締める。


私と、和希は2年前に結婚した。
和希が就職と同時に、京都に転勤となり
付いて来て欲しいと、プロポーズを受けた。
こんなに早く結婚するとは思わなかったが、和希の真剣な想いを受け止めた。
私と、和希は今年24歳になる。
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