君がくれたもの
思いがけず



「芽衣〜。」
私は、リストから目を離し声のする方に顔を向けた。


「ああ、彩香。お疲れ様。」
彩香は、私と同時期にさくら書房に入り、同い年ということもあり、すぐに打ち解け友人になった。


「おっ、新人が入ったのね。」
「そう、芹沢亮くんよ。」

「織田彩香よ。よろしく」
芹沢くんは、爽やか笑顔を彩香に向けて
「よろしくお願いします。」
と、お辞儀をした。


「大学生?」
「そうです。今は比較的暇なので、バイト始めました。」
「そうなんだ。いくつ?」
「来月で、20歳です。」


「若いね。ね?芽衣。」
彩香は、笑いながら私を見る。


来月20歳ということは、まだ19歳なんだ。
確かに、若い。


「じやあ、私は今日レジだから、また後でね。」
「あ、うん。後でね。」
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