御劔 光の風2
Ⅰ-Ⅶ 統べる王
やがて真っ白な眩みは治まり、薄く開けた目に景色が映る。

目を開けるのに苦労したが、肌に触れる柔らかい風に自分の居場所が変わった事を知らされた。

草木や花の香が鼻をかすめ、小鳥のさえずりが聞こえてくる。

「大丈夫か?」

「目がチカチカする。着いたの?」

「ああ、そうみたいだ。」

少しずつ目を開き、景色を確認していく。

徐々に鮮明な映像が見られた。

緑に囲まれているが、そこは道だった。

空は快晴、鳥たちが二人の上を通り過ぎていく。

道は遠くに見える建物に続いているようだった。

「あれは宮殿?」

リュナは視線の先を指した。

道の続く先にあると思われる建物、カルサは遠い目をして頷く。

「あそこが今から目指す場所だ。」

目指す場所はすぐそこに、もう目に見えている。

しかしカルサの足は動かなかった。


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