迷った末に、愛理は屋上から飛び降りなかった。
一週間前、クラスのみんなが、ナイトの書いた
呪いのケータイ小説を読んで死んでしまった
愛理もナイトの書いた呪いの遺書を読んだから、
愛理は今日、みんなと同じように死ぬはずだった。
でも、愛理は見せてしまった。
見せてしまったのだ。
クラスのみんなが教室で首を吊って死んでいたあの日、
ナイトから全てを告げられ、
愛理は茫然としていた。
だが、しばらくして、愛理は死体の下にあった全ての遺書を
回収し始めた。
血や排泄物で汚れたものも全て集めた。
そして、一人、職員室へと向かったのだ。