りっちゃんとテニスコートまでなんでもないような話をしながら歩いた。
結局、りっちゃんがなぜ彼氏をつくらないのかはわからなかった。
きっと私にも言えない事情があるのかな。
りっちゃんはずっと隠し事をしなかったから、なんだかショックだった。

テニスコートについて遠くの方から人が走ってきた。
「里衣!来てたんだ!」
なんだか聞き覚えのある声。りっちゃんは声のする方に振り返った。
「マリ!久しぶりー。トーナメント終わった?」
「まだあと2試合!!がんばる!…あれ?九条さん?」
りっちゃんと話していたマリという子の方に振り向いた。
そこにいたのは、根田麻里愛(ねだ まりあ)ちゃんだった。
まりあちゃんは、中学の同級生で話したことはあまりないけど、いつもみんなの中心にいた明るい子だった。
「九条さん久しぶり~!元気!?同じ学校だったんだあ!」
まりあちゃんは笑いながらこっちを向いて話しかけてきた。
「ひ、久しぶり。麻里愛ちゃんテニス部だったんだね。」
「そーなの!あ、どーせだし中入って!」
あまり話したことないせいか、麻里愛ちゃんのテンションについていくのがやっとだった。
麻里愛ちゃんとりっちゃんはなんとなくだけど性格が似ていた。
明るくて元気で誰からも信頼されてて、いつも中心でみんなを盛り上げていた。
でも、そんな人がいるからこそまとまるんだよね。
そんなことを考えながらテニス部の練習を見ていた。