《太陽は廻り続け、向日葵は咲き誇る》

プロローグ

笑ってよ。


笑ってッ。 笑ってよッ!



君に必死にそういわれたのを覚えているよ。


君はなきそうな顔をしてて。


僕も泣きそうだった。




泣きそうな顔をして、必死に僕にすがってきて。

僕は笑うことができなくて。


笑おうと必死で。


口角を上げようとしても、上がらなくて。




でも、こんなぎこちない笑いをみて、君は微笑んでくれたんだ。

太陽みたいな暖かい微笑みで。





これも思い出なんだよね。

分かってるよ。

知ってる、ちゃんと分かってる。


でも、認めたくないんだよ。


君はもういないってことが、夢にしか思えなくて。

いつか笑って帰ってきてくれるんじゃないかって。

僕はどこかで期待しているんだよね。



『待ってよッ、どこ行くのさッ』


必死に。必死に笑おうとした。

必死に。必死に手を伸ばした。


『ごめん。さようなら』

必死に。必死に君を追いかけた。

必死に。必死に君から逃げた。





《太陽の君と弱い向日葵》
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