vampire*love2

歯車

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「サクラ、やっとみつけたよ」





和樹が笑顔でそう報告してきたのは桜の花舞う頃だった




「じゃあ、これでさよならね」




「あぁ、そうだな。今までありがとう」




部屋に入ってきた嬉しそうな笑顔とは違う、悲しそうな微笑みを残して和樹は私の館から姿を消した




先ほどまでハラハラと散っていた桜の花びらたちは


一つの雫とともに桜吹雪となり、彼の残像を消した…





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