そうして全部溶けてしまえばいい。
Chapter2


そして土曜日。

今日はクラス会の日。


あたしは存分にサボって昼まで寝ていた。
休日は安心する。
誰の顔色も心配しないでいいから。

寝起きの姿であくびをしながら一階に降りると弟がリビングでテレビゲームに熱中していたので横でぼんやりそれを眺めた。

筋肉のすっごいオッサンたちが拳で相手をやっつけてクリアしていくっていう格闘ゲーム。

画面の中でオッサンは相手にものすごい早さで顔面パンチくらわしたり回し蹴りしたり、好き放題。


こんなん普通じゃ無理っしょ。

まず暴力はいかんよ。



けど暴力じゃなくていいから、こんなふうに自分の気持ちに素直に動けたら気持ちいいと思う。


そしてあたしは時々このオッサンみたいに無性に何かを殴りつけたい衝動にかられる。



< 11 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop