ケータイ小説 『肌』 著:マサキ
ビジネスホテルでマサキと話した日から、数日後。
長いようで短い時間だった。
セミが地上で生きていられる時間のように、夏もあっという間に過ぎてしまう。
9月30日の今日。
夜、中学時代のヤマと会う約束をしているけど、本当はあまり気がすすまないでいる。
アサミからは毎日のようにメールや電話がくるけど、マサキのことはあえて相談していない。
今回ばかりは、アサミのアドバイス無しに自分で考えて決めないと、後々何か問題があった時、アサミのせいにしてしまいそうでこわかったから。
アサミも、私とマサキのことを尋ねたそうにしつつも何も突っ込んでこず、他愛のない話題で会話を終わらせていた。
マサキがこっちにいられるのも、明日まで。
もう少しいてほしいけど、有給休暇を使ってこの地にとどまっているそうだから、無理は言えなかった。
ただでさえ、有給休暇を使う社員がいると、職場にはピリピリした空気が流れるのだとか。