17センチの片想い。
Theater 0


空の上のような舞台の上。

彼女は太陽のような笑顔を振り撒きながら、空の舞台で踊る。

彼女を包んで輝かせる無数のペンライト、今の俺はそのペンライトのひとつでしかない。


一緒に受けた授業や帰り道、
当たり前のように過ごした日々が、
ひどく輝いて見えて、当たり前ではなかったと、

毎日が特別だったんだと知る。


友達の夢が叶ったんだと、嬉しく思っていたはずなのに。

友達の晴れ舞台を見て、嬉しいはずなのに、大好きなライブで楽しいはずなのに、

どうしてこんなに悲しいんだろう。



――――彼女の事が好きだったから。



今更気付いてももう遅い。
太陽に手を伸ばしても届きはしない。

それならば、せめて。

顔をあげて強くペンライトを握りしめる。


せめて俺が、彼女を1番に応援できる人であれるようにと。


< 1 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop