「1/4の奇跡」左側の君に【完】
ポロポロと、自分の意と反して、
勝手にどんどん涙が出てきてしまって困った。
隣の拓人がその間ずっと黙っていたから、
いつまでも止まらない自分の涙が嫌になった。
しばらくグズグズとしていたら、
ショッピングモールのイルミネーションたちが、
一斉に輝きだした。
ふっと顔をあげて、
その光を見ていたら、
少しずつ気持ちが落ち着いてきた。
「体が治ったら、またできるよね・・バスケ」
「治ったら・・・」
拓人は光を見ていた目線を一度下げて、
それから私を見て笑った。
「そうだな」
「早く治るといいね」
その私の言葉を聞いて、
少し切なそうな顔をしたのは、
どうしてだろうか・・・