【砂漠の星に見る夢】


「誕生日にネフェル様のお妃が決まるんですって」


「ネフェル様が誰も連れてこなかったら、大臣の娘と結婚することになるみたいよ」


すれ違った町娘はまるで自分のことのように、きゃあきゃあとミーハーな声を上げていた。


イシスはあからさまに自分のことを噂されているような心境になり、頬を赤らめ俯いた。


……そうなんだ。


私は明日宮殿に行き、ネフェルの奥さんになるんだ。


この私が妃様になるなんて……。


そう鍛冶屋の有名なおてんば娘が王子様と結婚だなんて自分でも信じられないし、皆仰天するに違いない。


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