傍にいさせて
双子side
双子side
理事長室の前で、夏恋を待っている湊と渚は、湊のケータイをいじっていた。
《夏恋ちゃんと接触成功!とりあえず、今日の昼に屋上で!》
という内容のメールを、3人に一斉送信していた。
送信が確認できるとケータイをしまい、二人で同じタイミングで壁に凭れる。
「にしても、夏恋ちゃんがあの人たちの子供なんてね」
「一般人に育てられたんだろうな」
「そうだね、それに鈍そう」
「クラス…いや、全校の野郎たちから、どんな目で見られてるかなんて、知らないんだろうな」
「俺たちが守ってあげなきゃだね」
「だな…ま、夏恋があの人たちの娘じゃなくても、放っておくのは俺らのポリシーに反するからな」
『楽しくなりそうだ』
二人顔を見合わせ、そっくりないたずらっ子な笑みを浮かべた……―――――