城西高校の水城さん

「よ、よろしく…！広沢さん。」

「セナでいいよお。」


可愛らしく笑った瀬那に私も笑い返すとかわいい！と言いながら抱きしめられた。

するとその力が思っていた以上に強く、骨がみしみしと音を立てる。

ばんばんと瀬那の背中を叩くとすぐに放してくれた。


「あ、言い忘れてたけど瀬那、馬鹿力だから下手すると骨折れるぞ。」

「何言ってんの大記ー、変な嘘佐奈に教えないでよー。」


ばんっとあり得ないくらい大きな音を立てながら志賀の背中を叩く瀬那を見て志賀の言ってることは本当だ、と言うことを思い知った。


「あ、ちょっと待っててね！」


何かを思い出したらしい瀬那は教室を出ていき、誰かを連れてすぐに戻ってきた。

瀬那に連れてこられたのはおとなしそうな女の子。


「佐奈！この子、私の友達の美羽！美羽！この子は佐奈！今友達になったの！」

「佐奈ちゃん？初めまして。日向美羽です。よろしくね。」

「水城佐奈です。よろしく、美羽ちゃん。」


ふわっと綺麗に笑った美羽ちゃんに思わず顔が赤くなった。

あり得ないくらいに可愛い、この子…。


「そういえば、セナ気になってたんだけどー、佐奈の男好きっていう噂って本当なの？」

「あれ、嘘だよー。水城さんむしろ男の人嫌いだよね。」


笑いながら登場した野村くんが私の代わりに話した。

俺と大記としか話さないもんと続ける野村くんに志賀も同意する。


「やっぱそうだったんだ！」

「佐奈ちゃん。よかったら今日一緒にお昼食べない？」

「美羽ナイスアイディア！」

「いいの？」

「もちろん！志賀くんたちもどう？」

「俺らもいいの？」

「もちろん。みんなで食べよう？外は寒いから茶道部の部室でね。」


あれ？

茶道部って確か今年の初めに廃部にならなかったっけ？

そう考えていると美羽ちゃんが私元茶道部部長だったから鍵持ってるの、と笑った。

どうやら今や先生公認の美羽ちゃんの部屋になっているらしい。

美羽ちゃん何者。