「あ、水城さんだー!」

「えーっと、江本…くん?」

「おしい!江森!」


帰ろうとしたら下駄箱で江森くんに会った。

今から帰るの?と尋ねられうん、と頷けば途中まで一緒に帰ろうと誘われた。

断る理由もなく承諾する。


「そういえば、何で茶道室で会った時私のこと分かったの?」


少し気になっていた疑問を投げかける。

いくらクラスが隣だからとは言え、そんなに交流もない。

実際私は隣のクラスの人で名前を知っている人は入江くんと江森くんだけだ。


「え?だって水城さん有名じゃん。」

「は!?有名!?」


どういう事なの。

私何か目立つようなことしたっけ。

少しと言うかかなり女子から嫌われているくらいしか目立つようなことしてないと思うんだけど。


「超かわいい女の子でしょ?水城さんは。」

「…ごめん、ちょっとよくわからない。」

「えー。男子の間で超人気なんだよ、水城さんって。あと、一組の美冷さん。」

「み、れい?」


聞いたことのない名前だ。

一組だから教室が遠いから当たり前か。

江森くんに聞いたところによると美冷さんはものすごい雰囲気を醸し出しているらしい。

気になる。

気になるけれど見に行く勇気はない。


「もうすぐ二年も終わるね。」

「同じクラスになれるといいね、水城さん!」

「うん、そうだね。」


春休みに入ったら志賀たちと会わなくなるなあ。

その前にクラス替えをしてまた一人になっちゃったら嫌だなあ。