逢いたくて

進展

必死になりすぎて手の平にできてたまめがずるむけた

ベロンと剥けた皮がついたままでひりひりする

「見せて」

渉も手を止めて私の手の平に目を向ける

「これひどいな。ちゃんと消毒しないと。おいで」

一度作業を中止して家に入った

「ソファに座って?」

渉はパタパタと救急箱をもって来た

「ちょっと痛いよ」

「つ~」

「ごめん」

消毒し医療用のハサミで剥がれかけた皮をきれいに切りガーゼをあて包帯を巻く

「しばらくはこうしてて。ばい菌入ると化膿するから。ごめんな~こんななるまで気づかなくて」

「でも…楽しい。」

心からそう思う

「渉との時間は…楽しい」

渉は一瞬私の顔を真剣に見た

そして




「咲…」

「うん?」

「……付き合ってください」
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