逢いたくて
トラウマ

温もり

私はしばらく家でおとなしくしていた

渉が熱心に看病してくれたおかげで徐々に体力も戻りつつある

「明日、デートしないか」

「えっ?!」

渉の言葉に私はとびきり喜んだ

久しぶりの外出

「ちょっとずつリハビリしないとな。どこがいい?」

「動物園!!」

「子供かっ!」

「だめ?」

「いいよ~行こう」

「やったぁ~」

渉とのデートらしいデートは初めてだから嬉しい

「じゃあ早く寝ような」

「うん」

私たちは夕食を早くすませて一緒にお風呂に入った

「おいで」

渉と同じ方を見てぴったりと寄り添う

「明日晴れるといいね」

「晴れるよきっと」

「そうなの?」

「俺、晴れ男だからさ。もし雨だったら咲のせい~」

「ひど~い!絶対晴れにする」

「神様かっ」

渉は笑いながら私の肩に何度もキスをする

少しずつふたりの吐息が熱をもちはじめた
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