【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済

☆迫られるkiss





───放課後、千夏とバイバイをして、
家に直行する。



そんな私の頭の中は、今日の献立で埋め
尽くされていた。



ていうか毎日、帰宅途中の頭の中には、
常に献立でいっぱいだ。あと、冷蔵庫の
中身。



今日は、煮物と、お味噌汁と……。あと
、卵でなんか作ればいいか。



思考が完璧主婦になってしまって、女子
高生としてはあまりにも虚しい。という
か、女子力がただでさえないのに、更に
低くなってる気がする。



……いや、料理上手ということにして、
女子力アップだと言い聞かせてるけど。



「ただいまー」



ガチャリとドアを開けて、靴を脱いで、
そう言う。




返事が帰ってこないのと、靴がないこと
から、光弥はまだ帰っていないらしかっ
た。




先に光弥が帰ってると、「おかえり」っ
ていってくれるから、こんな日はちょっ
ぴり寂しい。



……って、寂しいとか、なに考えてんの
私。



「……寂しくないし……」



自分に言い聞かせるようにして呟いた声
が、いやに虚しく響いた。









< 82 / 427 >

この作品をシェア

pagetop