【完】甘い生活~危険な幼なじみに溺愛されて~【上】p356まで加筆済
───バタンッ!
苛立ちが反映されてか、ドアの開閉も荒
々しくなる。
ああもう、すごいむしゃくしゃしてる、
私。そんで、すごい矛盾してる。
関係ないって納得させたのに、こんなに
苛立つなんて。
セーターを脱いで、ハンガーにかけてる
とき、ふと、何かが流れた。
込み上げて、溢れて、零れた。
「え……」
それは、涙だった。
温かくて、それでいて、しょっぱい水。
どうして泣いているのか、涙が溢れてく
るのか、わからなかった。
止めようと思うのに、止まらなかった。
止まってくれない。
胸が苦しくて、苦しくて、痛かった。
「意味わかんなっ……!」