あやふや

「体の調子はどう?」

「すこぶる良好」

 優しい笑顔を向ける千絵の顔は輝いていた。

 この選択は間違いじゃなかった。

 心の奥深くで貴代はそっと呟いた。

 でもその時

「ここだけの話しこのお腹の子、佳祐の子じゃないんだ。

 私の唯一愛した人の子なの」

 突然の千絵の告白に、

 貴代は驚きのあまりなにも言い返せなかった。
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